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Linuxに早く移行しよう
Aのケースでは、2025年10月以降新たに発見された脆弱性は修正されないため、すでにサイバー攻撃の危険にさらされています。 しかし、Eのケースでも、現時点(2026年5月)で、Microsoft が公式に保証している Windows 11 Home/Proのsサポート期限は、2027年10月12日(25H2 のサポート終了日)。今日から1年5ヶ月先である。それ以降、Windows がどうなるかは、Microsoft 自身も発表していない。
さらに、Claude Mythosを代表とする攻撃力の強いAIが利用できるようになった時の対応を考えてみるといい。 攻撃者は、数時間から数日で攻撃が可能になる。現在のWindowsの1ヶ月に1回のセキュリティバッチでは、対応はできない。
なぜこんな状態になったのか。
2026年4月29日、Microsoft の CEO サティア・ナデラは決算説明会で「ファンを取り戻す必要がある」と語った。
同じ週、Microsoft のマーケティング部門は Windows 11 のゲーム PC で「32GB が不安なしの選択肢」と公式に推奨した。
同じ週、Notepad、Snipping Tool、Photos、Widgets から Copilot のボタンを引き戻した。
別々のニュースに見えるが、全部、同じ構造の症状である。
Windows は今、4つの構造的な理由で壊れていっている。1つは Windows という製品が30年かけて抱え込んだ過去の重みで、残り3つはナデラ時代に意思決定された問題だ。それを改善できる組織能力はもう持っていない。
これは Windows という製品が、30年かけて抱え込んだ最も大きな負債である。 Windows は、過去のあらゆるハードウェアと動き続けることを売りにしてきた。1990年代のプリンター、古いUSBデバイス、シリアルポート機器、業務用の専用ハードウェア、16ビット時代のソフトウェア。これらが「動かなくなる」のは Microsoft にとって致命傷だった。互換性こそが Windows の事実上の独占を支えてきた。 しかし、互換性は無料ではない。過去のドライバーを動かし続けるために、Windows のカーネルは巨大な互換性レイヤーを抱えている。 その代償は深刻だ。
カーネルが肥大化する セキュリティ穴が増える(古いドライバーは攻撃ベクター) アップデートに時間がかかる、再起動が長い 新しい機能を追加するコストが指数関数的に上がる イノベーションそのものが止まる
Linux と比較すると差が明確になる。Linux カーネル開発者は、使われなくなった古いドライバーを定期的にカーネルから削除する。30年前のプリンターは動かないかもしれない。その代わり、カーネルは軽く、安全で、速い。これは哲学の選択だ。過去を捨てて、現在を最適化する。誰かが責任を持って管理している。 Windows は逆だ。というより、Microsoft はそもそもドライバーを管理していない。 そして、ドライバー開発のサポート自体が整っていないことが、より深刻な問題である。
Windows のアプリは何で作るべきか。この問いに Microsoft は10年以上答えを出せていない。
WPF、Silverlight、UWP、Xamarin、WinUI 3 — どれも完成しないまま、社内のアプリチームは Web 技術に逃げた。Teams、新 Outlook、Widgets、設定アプリの一部が Edge WebView2 で作られた。アプリの中に小さなブラウザが住み着いているようなものだ。
10個のアプリが10体のブラウザを抱える。これが「16GB では足りなくなった」本当の理由である。Windows と公式アプリ自身が、Web 技術を抱え込んで太った。
そして Microsoft は今週、それを「32GB が安心」と言ってユーザーに請求している。DDR5 が1年で3〜4倍になっている最中に、である。
AI でも同じことが起きている。Copilot は事実上 OpenAI の GPT のラッパーだ。Microsoft 自身の AI 研究は、製品としては形になっていない。
UI を自前で作れず Web 技術に逃げ、AI を自前で作れず OpenAI に依存した。自前の技術基盤を作る組織能力が、もう低下している。
Microsoft 365 Copilot の有料シートは1,500万まで増えた。しかし実際に使っているのは35.8%。残り3分の2は使っていないか、別の AI に移っている。
別の AI は選ばれている。Anthropic の Claude は Fortune 100 の70%が採用、企業向け売上は年300億ドル規模。AI への需要はある。Copilot が選ばれていないだけだ。
価値で選ばれない製品を使ってもらうには、選択肢を奪うしかない。
最後の点が決定的だ。規制があれば守る、規制がなければやる。Microsoft 自身が「ユーザーの利益にならない」と認識した上で、規制のない地域には強行している。
元 Windows エンジニアの Dave Plummer はこう言っている。「Microsoft が我々のデスクトップを"エンゲージメントファネル"として扱っていることが問題だ」。
Windows は道具だった。それを Microsoft は、滞在時間を稼ぐチャネルとして扱い始めた。今週、Notepad の Copilot ボタンが「writing icon」に名前を変えただけで残ったのも、この方針が変わっていない証拠だ。批判をかわすために表面だけ調整している。
ここまでは Microsoft の内部問題だった。しかし2026年に入って、別の次元の問題が表面化した。
地政学的リスクである。
しかもこのリスクには、2つの異なる性質のものがある。
2025年2月、米国大統領ドナルド・トランプは国際刑事裁判所(ICC)の上級職員11人に制裁を発動した。Microsoft は米政府との契約を失いたくないという判断で、ICC 判事の Microsoft アカウントを停止した。判事はメールにアクセスできなくなった。
仮定の話ではない。実際に起きた事件である。
ここで強調すべきは、この大統領令そのものに違法性があるということだ。ICC 判事は外国の司法職員であり、米国の刑事司法手続きの対象ですらない。米国憲法修正第5条が定める適正手続きを経ていない。法律ですらなく、議会の議決も司法判断もない、米国大統領という一人の人間の政治判断にすぎない。
Microsoft は、こういう違法性のある命令に対してノーと言うべきだった。Windowsという製品の価値の核心は、「世界中のユーザーが、政治と無関係に安心して使える基盤である」ことだったはずだ。それを守ることが Microsoft の存在理由のはずだった。
ナデラはノーと言わなかった。契約を失わないことを、Windowsの信頼性より優先した。
つまり、ナデラはWindowsを捨てた。
対象は誰でも選べる。今日は ICC 判事だが、明日は別の国の研究者かもしれない。来年は米国と取引のある日本企業かもしれない。予測も対策もできない。
EU の元競争コミッショナー Margrethe Vestager はこう警告している。「判事がメールを使えなくなることが一度起きるなら、また起きうる。これは依存関係であり、武器化されうる」。
率直に書く。
Windows から Linux への乗り換えは、誰でも嫌な作業だ。慣れたショートカット、Office の資産、家族や同僚との互換性。学習コストも心理的抵抗もかかる。
それでも、この記事は Linux への移行を、しかも一気に移行することを提案する。
3兆ドルの時価総額、1,000億ドル規模の長期契約、複数の国家との Sovereign AI の縛り、社内の人事評価への AI 利用の組み込み — これらは全部、ナデラ自身が作った縛りである。
ナデラはこの方針を変えるつもりがない。仮に変えたとしても、自分で作った縛りを自分で外さなければならず、それは Microsoft の株価暴落と契約破棄を意味する。ナデラがやっていることは、引き返せない方向への加速だ。
ハードウェア要件はさらに上がる。Copilot は OS のもっと深い場所に入る。サブスク料金は上がり続ける。今動かなければ、来年はもっと動きにくくなる。
Web 会議、Web メール、SaaS は Windows でも Linux でも変わらない。Slack、Zoom、Discord、VS Code は全部 Linux 版がある。ゲームも Steam の Proton で大半が動く。古い PC が現役で使える。
困ったことが出てきても、ネット上に解決策の情報が大量にある。AI アシスタントに聞けば、コマンドラインの使い方も教えてくれる。20年前の Linux 移行とは状況が全く違う。
Office に代わる文書作成の選択肢は、もう決まりつつある。Markdown である。
プレーンテキストで書ける軽量な記法で、見出し・箇条書き・表・コードブロック・リンクが書ける。ファイルは .md という単純なテキストファイルだ。
Word から Markdown に移行すると、生産性が上がる。理由は単純だ。
書くことに集中できる。Word では、文字を打つたびに「フォントは?」「行間は?」「太字のスタイルは?」と装飾の判断を強いられる。Markdown は装飾を後回しにできる。# で見出し、* で強調、それだけ。書いている最中は文章の中身だけに集中できる。
ファイルが軽い。100ページの Word 文書は数MBになる。同じ内容の Markdown は数十KBで済む。バックアップも、検索も、共有も速い。
ベンダーロックインがない。.docx は Microsoft の形式に依存している。Word のバージョンが上がるたびに、過去のファイルが微妙に崩れる。Markdown はただのテキストだから、20年後のどんなエディタでも開ける。
バージョン管理が効く。Git で履歴管理ができる。「先週の文書と今週の文書、どこが変わったか」が一行単位で見える。Word の「変更履歴」機能とは比べ物にならない。
変換が自由自在。Markdown から PDF、HTML、.docx、.epub、スライドまで、Pandoc などのツールで一発変換できる。最終出力フォーマットを後から決められる。
書く速度が上がる。マウスでメニューを操作する時間が消える。キーボードから手を離さずに文書が完成する。慣れれば、Word で書くより明らかに速い。
GitHub、ブログプラットフォーム、ドキュメントサイト、技術書 — 開発者やライター、研究者の世界では、もう Markdown が事実上の標準になっている。理由は同じ、生産性が高いからだ。
それでも .docx や .xlsx が必要な場面では、OnlyOffice デスクトップエディターが無料で使える。Microsoft Office で作られたファイルのレイアウト崩れが起きにくい。
Markdown で書いて、必要なら OnlyOffice や Pandoc で .docx に変換する。これが2026年の文書作成の流れである。
少しずつ移行する、という方針には罠がある。
両方使う期間が一番つらい。データが分散し、設定が二重になり、苦痛だけが長引く。
Windows を使っている限り、被害は止まらない。「メイン Windows、サブ Linux」では、被害の本体から離れられない。
移行コストは時間とともに上がる。今が一番安い。
「いつかやろう」は永遠に来ない。週末、夏休み、プロジェクトの区切り — どれも来ない。
期日を切って、一気にやる。それが結局一番楽である。
期間は2週間〜1ヶ月。
第1週 — 準備: ディストリビューションを決める(Debian、Ubuntu、Linux Mint のどれかでよい)。データを Microsoft アカウントから外に出す。
第2週 — 移行: 週末を移行日に決める。メイン PC に Linux をインストール。データを戻し、アプリを入れる。月曜から Linux で生活を始める。
第3〜4週 — 定着: 困ったことが出たら、ネットや AI アシスタントで調べる。文書作成は Markdown を中心に切り替える。どうしても動かない業務だけ、例外的に仮想マシンで Windows を使う。
「Windows と同じにする」必要はない。新しい仕事の流れに慣れる期間だと割り切る。
要するに、こういうことだ。
ナデラは、基盤としての Windows に興味がない。
世界中の人が安心して使える基盤として Windows を育てる仕事に、ナデラは興味がない。興味があるのは、Azure と AI で稼ぐこと。
2026会計年度の設備投資1,000〜1,200億ドルは、すべて Azure と AI データセンターに向かっている。
ナデラは、Windows を「買って長期間固定で使うOS」から「継続更新を前提としたサービス型OS」に変化させた。 しかし、Windows をサポートすることができなくなってきている。
Windows 11 のサポート期間を調べてみるといい。Windows 11 Home / Proはサポート中になっているが、最終的なサポート期限も、対応スペックも明示されていない。
25H2 → 2027年10月12日に終了 = 現時点での一般的なIntel / AMD PCの最終確定日 26H1 → 2028年3月14日に終了 = 現時点での最終確定日、ただし、Snapdragon X2等の新世代向けの専用リリース
つまり、2027年10月12日以降、Windows がサポートされる機種があるかどうか、Microsoft 自身が発表していない。これが現状である。
経営者であるナデラが見捨てたWindowsを、ユーザーが使い続けられることはない。
離れるなら、一気に離れる。中途半端が一番つらい。
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