記事と辞典

5 つの記事シリーズと、伝統野菜の辞典

Fable 5 が帰ってきた — 全7回+番外編+実践追補

賢いチャットAIとして使うものではない ── その仕事は、Fable 5 に頼む価値があるか?

Anthropic の最上位モデル Fable 5 の実務ガイド。コストの仕組み、大量資料の読解、複数工程の丸ごと依頼、コーディング、閉じた道具立てを開いて OSS につなぐ方法 ── Sonnet / Opus との使い分けの判断基準を、全7回+番外編+実践追補で。

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構造分析 — 全27章

Insights — 全ての構造は一つに繋がっている

気候変動、化石資源、Mythos時代、企業ITの税、ドローン戦争、医療と年金、規制の再設計 ── AIが仕事、農業、暮らしを変える、その構造を解き明かす。

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AIネイティブな仕事の作法 — 全11章+実例集

AI-Native Ways of Working — AI 時代の自由人のための道具たち

事務処理はOffice、業務ソフトはJava/C#、しかしAIはPythonとテキスト。Markdown・JSON・Mermaid・Python・Linuxで AI を同僚として並走させる、実用的な作法。コードと出力の実例集つき。

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Claudeと一緒に学ぶDebian — 全24章

Learning Debian with Claude — 対話する教科書

Claudeを横に置いて読む新しい形の教科書。Debianへの移行を、対話を通じて自分の状況に合わせて学ぶ。各章末で「ここまで読んで自分はどうすべきか」をClaudeに聞く。

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リン資源枯渇と自然農法 — 全10章

Phosphorus Depletion and Natural Farming — 経済が農法を決める

リン酸肥料の供給が三つのルートで同時に細る。工業型農業の収支は崩れ、土壌微生物に肩代わりさせる農法以外に成立する選択肢はない。World Bank・USDA・MAFF の一次データで、構造的に追跡する。

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イタリア野菜辞典 — Vegitage

Le Verdure Italiane — 地中海の恵みと食文化の物語

DOP・IGP認定品種から地方の在来種まで、69種の伝統野菜の歴史・栽培・料理を収録。AIリサーチエージェントで構築された、伝統野菜と伝統料理の構造化データベース。

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最新のブログ記事

2026.07.28

窒素の需給 ── 急性期は峠を越えた。だが逃げ道は、みな窒素に合流する

前稿で、肥料の制約は消えず移動すると書いた。移動した先が窒素である。本稿はその需給を見る。急性期は峠を越えた ── インド向け尿素は4月の約890ドル/tから6月の入札で約445ドルへほぼ半値に戻り、応札超過。中国は8か月の実質停止のあと、6〜8月分のクォータ150〜160万トンをメーカーへ直接通知し(公式発表なし)、下限価格660ドル/t FOBつきで輸出を再開した ── 国内を守りながら高値だけを取りに行く設計で、リン酸の8月の型見本でもある。だが構造は残る。湾岸は世界の尿素輸出の36%を占め、ラスラファンの修復は年単位、ロシアのアゾト系工場への攻撃は続き、新能力(2年でアンモニア+460万トン、カタールの尿素倍増)が効くのは2027年以降だ。そして本稿の主題 ── リン酸側の逃げ道が、ことごとく窒素に合流する。OCPのTSP化はリン肥に同梱されていた窒素を外し、その分を尿素の需要へ移す。硝酸リン酸法はリンをアンモニアに繋ぎ替える。燃料アンモニアの混焼が本格化すれば、燃料が肥料と同じ調達市場に乗る。中国の災害もここでは本家である ── 2021年10月の輸出検査強化は、河南水害とエネルギー危機の秋、尿素先物の急騰から始まった。日本固有の弱点も書く。尿素はマレーシア一国74%で、国産3%。硫安はカプロラクタム副産物という国産基盤の上にあったが、大手化学の撤退でその足場が細っている。どちらに転んでも効く動きは一つ ── 購入する窒素そのものを減らすことである。

2026.07.28

肥料危機、3か月で何が明確になったか ── 改善したもの、悪化したもの、まだ決まらないもの

4月に「日本ではリン酸肥料は手に入らなくなる」と書いてから3か月。採点よりも役に立つ整理として、見込みより改善したこと・悪化したこと・まだ決まらないことの三つに分ける。改善: モロッコOCPは硫黄高で第2四半期の生産を約3割落としたが、硫黄の使用が大幅に少なくアンモニア不要のTSPへ製品を切り替えて6月末に全量復帰した(TSPは出荷の65%へ)。中国では7月に国内硫黄価格が輸出クォータ期待で反発し、再開の兆候が金の動きとして出た。日本は備蓄と分散と季節性の織り込みで秋肥のリン酸系を+4.5〜4.9%に収め、店頭の品切れはない。悪化: 予測の視野の外にあった窒素が最大の打撃 ── カタールとイランの停止、尿素は4月に単月+22.7%、World Bankは2026年に6割高の見通し。分散に成功していたはずの窒素が殴られた ── 分散とは相手を替えることではなく、資源を替えることだった。硫黄は平時の5〜8倍、カリも巻き添え。未決: 最重要は中国国内の需給 ── 再開判断は国内価格・秋の作付け・LFP電池向け需要・硫酸コストで決まり、先行指標は公告ではなく中国の硫黄価格である。モロッコの製品構成(TSP化で窒素分の手当てが別途要る)と、11月の春肥価格・為替も残る。制約は消えていない。移動しながら、形を変えている。

2026.07.28

大規模ができるなら、小規模はすぐできる ── 100万行・2週間の実証を、5万行に換算する

前稿で、Anthropicの技術ブログが報告したBunの移植 ── 100万行のZig→Rustが2週間未満、既存テストの100%通過、API費用約16.5万ドル ── を「蒸留は産業規模で動いている」の実証として引いた。本稿はその換算である。同じ記事にはもう一つの実例がある。個人が週末で16.5万行のPython→TypeScriptを移した。中小企業の業務システムの独自部分は、多くが数千〜数万行 ── この実証より一桁小さい。行数で単純に割れば、費用は数十万円台、期間は週末に収まる。手順も同じで、違いは一つだけ ── Bunにはテストがあり、業務システムには普通ない。だから最初の仕事はテストの抽出、つまり前稿の蒸留である。動いている現行システムを教師にして挙動を写し取り、スクリプトを審判に立て、機械的な作業キューで進める。さらに軽い対象がWebサイトで、挙動が最初から全部外に出ているため、テストの抽出は巡回一回で済み、静的化すれば保守費と攻撃面まで一緒に消える。大規模の実証が落とした壁は、技術の壁ではなく「うちには無理だ」という想定の壁のほうである。

2026.07.27

蒸留は、AIだけの話ではない ── AIが業務システムをつくる

Kimi K3をめぐって「蒸留」という言葉が流通している。高価なモデルに問いを投げ、答えを集め、その入出力を教師にして同じ働きの安いモデルを作る手法だ。中身は要らず、挙動だけあればいい。同じ構造が、業務システムにそのまま当てはまる。テストとは、システムに問いを投げて答えを記録することだからだ。挙動が手元にあれば、AIは同じ働きの実装をもう一度作れる。写し取る対象はベンダーのコードではなく、自社の業務がどう動くべきかという挙動 ── もともと自社のものだ。普段の保守はセキュリティ監査だけになり、システム改善に必要なのは理由とテストデータだけで、そのテストデータの多くもモデルが作れる。改善の理由は自社にしか出せず、実装はAIが書く。もう委託に出す必要はなくなり、判断は自社でおこない、作業はAIに任せばよい。

2026.07.27

ヘーゲルで読む2026年7月 ── 買った主人、作った奴隷、そして理性の狡知

2026年7月16日のKimi K3発表から、24日の書簡「Open Weights and American AI Leadership」、27日の重み公開まで、11日間の出来事を8本の記事に書いてきた。楊植麟の損得、AI企業の負債の塔、Microsoftの決算、三つの戦線、ITという産業の終わり、攻撃の値段、閉じ込めの実務、そして署名の線。本稿はその8本を、ヘーゲルの四つの概念で通し読みする。フロンティアモデルを買ったナデラと、作って開いた楊植麟は、主人と奴隷の弁証法の現代の配役である。売るためには出力を晒すしかなく、晒された出力は必ず教材になる ── 主人の力は、行使した瞬間に複製される。攻撃の値段がゼロになった世界は、自分の作ったものに支配される疎外の完成形であり、閉じ込めの実務はそこからの回復である。そして50社の署名が損益計算書の線で引かれたことは、ヘーゲルの見立てそのものだ ── 歴史は理念ではなく利害と情熱を使って進む。トランプの規制検討が3日で史上最大の開放同盟を生み、楊植麟の損得勘定が能力の無償化を完成させる。理性の狡知は、全員の私心を使って、判断集中の時代を閉じようとしている。残る合(ジンテーゼ)は、労働する主人 ── 実体に触れ、判断を手放さない自由人である。

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