Claude × Debian 07

第7章 インストール実行の対話

画面を見ながら、Claudeに確認を入れて進める

この章で起こること——Debian 13 では驚くほど直線的

第5章で書いたとおり、Debian 13 のインストーラは Windows 11 より静かでまっすぐ進む。各画面はほぼ「次へ/推奨を選ぶ」で済み、迷う余地のある画面は次の三つだけだ。

  • ディスクの選び方(外付けを誤って選ばないこと)
  • 暗号化パスフレーズの入力(紙を見ながら)
  • ソフトウェア選択(第6章のチェックリスト通り)

それ以外は 言語を「日本語」にしておけば、ロケール・キーボード・日本語入力(Fcitx5+Mozc)まで自動でセットされる。だから本章は「画面ごとに考え込む章」ではなく、「画面ごとに一拍だけ確認する章」として読んでほしい。

準備の最終確認

インストーラを起動する前に、次が全部揃っていることを確認する。

Windows 11 側の事前作業(最重要)

  • [ ] BitLocker(デバイスの暗号化)を無効化済み——Windows 11 はデフォルトで有効。復号完了まで待った
  • [ ] 「高速スタートアップ」(Fast Startup)を無効化済み——電源オプションのチェックを外した

この二つが終わるまで Debian インストーラを起動しない。詳細は第5章「Windows 11 側に二つだけ事前作業がある」を参照。

その他の準備

  • [ ] install-config.md(第6章で作ったチェックリスト)を印刷、または別端末に開いた
  • [ ] 別のPCかスマホで claude.ai を開いた(インストール中のDebianから聞けないため)
  • [ ] 外付けストレージにデータの完全バックアップ済み
  • [ ] Windowsのライセンスキー、認証アプリのバックアップコードを紙で保管済み
  • [ ] 電源アダプタを接続(バッテリー残量で途中停止を防ぐ)
  • [ ] 有線LAN(可能なら)。無理なら無線LANのSSIDとパスワードをメモ
  • [ ] DebianインストーラのUSBメモリを挿入
  • [ ] 予備日を確保済み

全部埋まったら始める。埋まっていない項目があれば、戻って確認する。

第一節 インストーラ起動まで

UEFIに入って起動順序を変える

  1. PCを一度シャットダウン(再起動ではなく完全終了)
  2. 電源ボタンを押して、すぐに機種固有のキーを連打
    • Dell: F12 / F2
    • HP: Esc → F9
    • Lenovo (Thinkpad): Enter → F12
    • ASUS / 自作: F2 / Del
  3. Boot メニューまたは Boot Order の画面を開く
  4. USBを最上位に動かすか、ワンタイムブート(F12メニュー)でUSBを選ぶ

起動したら、Debianインストーラの画面が表示される。日本語でインストールする場合は、Graphical installではなくて、Install の方を選択する。Graphical install だと説明が不足しているものがある。Install は、テキスト

Claudeに聞いてみよう①:起動しないときの即応対話

別端末のClaudeを開いて、このテンプレートを用意しておく。

Debianインストーラが起動しません。 機種:〔メーカー・モデル〕 起動したときの画面(または画面の内容):〔スクリーンショットを撮れなければ文字で書く〕 やったこと:

  • Fast Startup を無効化:〔した/していない〕
  • Secure Boot を無効化:〔した/していない〕
  • USBポートを変更:〔した/していない〕
  • 別のUSBメモリで試した:〔した/していない〕

次に何を試すべきですか。

この準備があると、トラブル時の対応が速い。

第二節 言語と地域、キーボード

インストーラが起動したら、最初の三画面で次を選ぶ。

  • 言語:Japanese - 日本語
  • 場所:日本
  • キーボード:日本語 (JP) か、英字キーボードなら 米国英語 (US)

英字キーボードなのに日本語を選ぶと、記号の位置がずれる。自分のキーボード刻印を見て選ぶ。

第三節 ネットワーク設定

有線が繋がっていれば自動

LANケーブルを挿していれば自動で検出される。

無線の場合

無線LANの場合、次を聞かれる。

  • SSIDの選択(近隣のアクセスポイント一覧から選ぶ)
  • 暗号化方式(WPA2 / WPA3 Personal が一般的)
  • パスフレーズ入力

Debian 13 の netinst ISO は non-free firmware を同梱しているので、Intel/Realtek/Atheros のごく一般的な無線チップなら、この画面で SSID 一覧がそのまま出る。リストが空になるのは、極端に新しいチップか、稀な機種だけだ。その場合は有線か USB テザリングに一旦逃げる。

ホスト名とドメイン

  • ホスト名:このPCの名前。debian-desktoptaro-latitude のように分かりやすく。会社名・本名・個人特定情報は避ける
  • ドメイン名:空欄でよい

第四節 ユーザー作成

rootパスワードをどうするか

「rootのパスワードを設定」画面で選択肢がある。

  • rootパスワードを空欄にする:rootログインが無効化され、すべて sudo 経由で管理者権限を得る。本書の推奨
  • rootパスワードを設定:古典的なUnixのやり方。root直接ログインが可能になる

空欄(sudo運用)のほうが安全で、Ubuntu的な使い方にも近い。

一般ユーザーの作成

  • フルネーム:日本語でも英字でもよい。ログイン画面に表示される
  • ユーザー名(ショートネーム)必ず英字小文字で、記号や数字は最小限taroyamada-t など)。ホームディレクトリ名になるので、日本語は絶対に避ける
  • パスワード:ログインと sudo の両方で使う。暗号化パスフレーズとは別にする

第五節 ディスクのパーティション設定

ここが最も慎重になるべき画面。

選択肢の意味

  • ガイド - ディスク全体を使う:既存のデータ(Windowsを含む)が消え、Debianがディスク全域を使う。本書の推奨
  • ガイド - ディスク全体を使い、暗号化LVMをセットアップ:全体暗号化(LUKS)付き。ノートPCはこれを選ぶ
  • 手動:自分で細かく設定。上級者向け

ノートPCなら 「ディスク全体を使い、暗号化LVMをセットアップ」。デスクトップで暗号化しないなら「ディスク全体を使う」。

ディスクを間違えない

外付けSSDや別のHDDを挿したままだと、そちらが選択肢に出る。 間違えて外付けを選ぶと、バックアップが消える。

画面に出るディスクは、容量で見分ける。PCの内蔵SSDは512GB/1TBが多い。外付けは容量で区別する。判断に迷ったら、一度インストーラを戻って、外付けを物理的に抜いてから再開する。

Claudeに聞いてみよう②:パーティション画面の確認

インストーラのパーティション画面を撮影(スマホで)、または見えているディスク名と容量を文字で書き留めて、Claudeに聞く。

パーティション画面で次のディスクが見えています: /dev/sda - 512GB /dev/sdb - 2TB

私のPC内蔵SSDは512GB、外付けは2TBです。Debianをインストールすべきは /dev/sda で合っていますか。間違っていたときのリスクと、確認方法を教えてください。

確信が持てない操作は、やる前に聞く。この原則は第2章の「検証の三原則」の実地応用だ。

暗号化パスフレーズの入力

暗号化を選ぶと、パスフレーズ入力画面が出る。第6章で決めたパスフレーズを入力する。

  • 20文字以上
  • 紙に書いてある通りに
  • タイプミス防止のため、ゆっくり
  • 確認欄にも同じものを入力

ここで間違えて覚えたと思い込むと、再起動後に起動できなくなる。 不安なら紙を見ながら入力する。

第六節 基本システムのインストール、パッケージマネージャ設定

ここから先は自動で進むことが多い。数分〜十数分待つ。

ミラーサーバーの選択

「アーカイブミラーの選択」で、日本のミラーを選ぶ。

  • deb.debian.org:自動で最適なミラーに振り分けられる。無難
  • ftp.jp.debian.orgftp.riken.jp:日本国内の代表的ミラー

プロキシ設定は、会社LANでプロキシを使っている場合のみ。自宅なら空欄。

第七節 ソフトウェアの選択

第6章で決めたチェック構成を、ここで選ぶ。

  • [x] Debian デスクトップ環境
  • [x] 〔第6章で選んだ DE〕(例:GNOME)
  • [x] 標準システムユーティリティ

他は外す。印刷したチェックリストと照合しながら、確実に。

ここで日本語入力(Fcitx5+Mozc)も自動でインストールされる。 第2節で言語に「日本語」を選んでいれば、追加のチェック操作は不要。第10章でやるのはインストールではなく「育てる作業」だと頭に置いておく。

このあと、十数分〜30分ほどパッケージのダウンロードとインストールが進む。コーヒーを飲む時間。

第八節 GRUBインストールと完了

GRUBを入れる場所

「GRUBブートローダーをマスターブートレコードにインストールする」が「はい」で、インストール先の候補が表示される。

  • 内蔵SSDの最上位(/dev/sda など)を選ぶ
  • 外付けストレージに入れない(抜いたら起動しない)

完了画面が出たら

  • USBメモリを抜く
  • 「続ける」を押して再起動

再起動後、暗号化パスフレーズ入力画面 → Debianのログイン画面 → デスクトップ、の順で進めば成功。

Claudeに聞いてみよう③:再起動後に画面が出ないときの即応

Debianインストールが完了し再起動しました。USBメモリは抜きました。 症状:〔画面が真っ黒/「No bootable device」と出る/暗号化パスフレーズ画面が出ない/etc〕

機種:〔〕。何を確認すべきですか。一つずつ手順を教えてください。

第九節 初回ログイン直後にやる三つのこと

ログインできたら、すぐに次の三つをやる。

1. 自分の PC であることを確認

  • デスクトップが表示された
  • 無線LANが繋がる(設定メニューから Wi-Fi 接続)
  • 画面の解像度が正しい

2. システムを最新に

端末(GNOMEなら Activities → 「terminal」)を開いて、次を実行する。

sudo apt update
                sudo apt upgrade
                

パッケージが更新されたら、再起動する。

3. 初回のスクリーンショットを撮る

インストール直後の状態を、スマホで撮影しておく。後で「何か動かない」と悩んだとき、初期状態の参照になる。

まとめ

この章でやったこと:

  1. UEFI→USBブート→インストーラ起動
  2. 言語、地域、キーボード、ネットワーク設定
  3. ユーザー作成(sudo運用、英字ユーザー名)
  4. ディスクパーティション(慎重に選択、Claudeに確認)
  5. 暗号化パスフレーズ
  6. ソフトウェア選択(最小構成)
  7. GRUBインストール
  8. 再起動、初回ログイン、システム最新化

手元の状態:

  • Debianが動いているPC
  • 暗号化パスフレーズで保護された環境
  • 最新のパッケージ

次の第8章「最初のトラブルシューティング」では、ここまでで出がちな問題(画面の解像度、Wi-Fi、音、Bluetooth、サスペンド)を、Claudeと一緒に一つずつ潰していく。


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画面ひとつにつき、一つの判断。

インストーラの画面を焦って進めると、あとで後悔する。各画面で一度止まって、チェックリストと照合し、迷ったらClaudeに聞く。この章はその「立ち止まる章」だ。

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